設立4年目を迎えた弊社の3年目は、前年とそう大きくは変わっていませんでした。初年度から2年目にロケットスタートで大きく売り上げを伸ばしてからはずっとそのままという感じです。食うに困らず好きな仕事で生きているのだから、これ以上の贅沢はありません。安定を求めてサラリーマン稼業をやってみて、その何もかもが心の底から嫌になったのはもうずっと前のことですが、それ以来何年も続けてきたリモートワークやフレキシブルな時間の使い方といったものがようやく世間に認められつつあるのは嬉しい限りです。これからもまた揺り戻しや再評価が続くのでしょうが、出来れば労働集約型の働き方だけしか認められない世界には戻らないでほしいと願いします。

世間の理解といえば、ホワイトカラーの職場ではもうリモートでのビデオ会議は一種当たり前の仕事風景になりつつあります。その流れに乗るべく昨年度は各社のご協力を得て従来のリモート接客システムに続いてリモートでの安全な抗原検査を実現するサービスを始めいくつかの実験的なビデオ通話関連のサービスを提供することができました。なんとなく好きで始めたWebRTCがいつの間にかこうして仕事になったのは幸運です。

また、こちらも従来から提供していたCOVID-19のパンデミックに際して経済的に困窮された方への携帯電話の貸し出しサービスに続き、つくろい東京ファンドの「今現在住まいを失い、今夜安心して泊まる場所がなく、また翌日公的な相談機関や民間の支援団体へつながることを約束できる」方への支援パッケージ提供サービス「せかいビバーク」に受付管理システムを提供することができました。それから緊急時に支援団体や各種専門家と無料で通話することができる「つながる電話Web」もご利用いただいております。

こんなふうに弊社では「それがある方が少し世の中が良くなる」製品の開発を進めていきます。幸いにも今年度からまたさらに営利事業・非営利事業どちらもいくつかのアイデアを頂いており、実現に向けてもうあれこれと動いているところです。長引く不況や低迷する経済、いまだに製造業を中心とする産業構造の中でソフトウェア産業にもまた厳しい状況が続いていますが、なんとか一社分だけ潜り込める程度のニッチを探して急がず焦らずなるべく誰の印象にも残らず生きていけたら十分でございます。本年度も引き続きのご愛顧を宜しくお願い申し上げます。

会長近影 会長近影