会社のことをお話しすると、結構喜ばれたり驚かれたりすることがあるので、少し宣伝めいた感じがして恐縮ではありますが、少しずつこちらで紹介できたらとブログを始めました。忙しくて更新もなかなかままならないかもしれず、またやる気がなくなったら困るので、アクセス解析の類はなるべくしないようにします。よろしくお付き合いください。

合同会社合同屋」という社名は、最初に会社設立の手続きをしている際にSlackで話していた同僚が思いつきました。ゲシュタルト崩壊しそうな字面と、あまり誰にも知られないままひっそり営業していたいという創業の意思をよく現しているので気に入っています。これまで個人事業主として仕事してきたのですが、それなりの規模の契約には屋号を求められることが多くなり、では屋号なのだから〇〇屋だな、合同会社だから合同屋だ、という、それだけの意味しかありません。名は体を表すといいますが、先日とある下町のお菓子屋さんで領収証をもらおうとしたら、おかみさんに一体なんの会社なのかと尋ねられてしまいました。まあこんな名前ですから仕方がありませんね。せっかくなので読者の皆様にも同じことを教えてあげますけど、弊社はソフトウェア開発を生業としています。受託開発とコンサルティングおよび自社サービスが主な仕事です。

ここまで読んだみなさんは、なんだ、特に面白くもないし、これといった特徴もない普通の会社なんじゃないかと思われたことでしょう。そして、たとえそうでなくてもいくら声をあげども音は宙に消えるばかり、読者は著者に抵抗する術はないのだと思い知ったことでしょう。はい、弊社は至って普通の会社です。本当は完全に匿名で経営する無名の会社にしたかったのですが、法律上責任の所在を明らかにして名前をつけるのは避けられなかったので、しばらく考えましたが、古の賢人の言葉の通り、無名であることは匿名であることとさして違いはないので、気にしないことにしました。強いていえば、妥協の産物でもあります。

少しだけ他と違うところがあるとすれば、弊社には社員はいませんし役員もいませんが、友の会があります。

LINEのスクショ

ただのLINEのチャットじゃないか、そんなふうに思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、その通りだから仕方がありません。事実は時に奇想天外ですが、大抵の場合は極めて平凡です。でも、これまでの人生のどこかの時点で一度でも心というものを持ったことがある人ならお分かりのように、一人きりではないと思っていられることは何事にも代え難い価値があり、だから世の中にはわざわざなけなしのお金を払ってでも誰かに構ってもらいに夜の街に繰り出す人までいるのです。会社を始めるというのはとても難しく、時にひどく寂しいことです。ミスをしても責任を押し付ける相手もいませんし、売り上げがなければ来月の給料を払ってくれる組織もありません。起業家が揃いも揃って変なやつなのは、ただのトートロジーなのです。

ええと、なんの話をしてんだっけ。ああ、そうそう友の会。友の会の唯一のルールは「ごめんで済む」です。なぜなら世の中というのは実はごめんで済まないことだらけだからです。私たちの済む社会の地盤はとても弱く、調子に乗りすぎても乗らなさすぎてもすぐに何もかも失い路頭に迷う羽目になります。せめて局所的に緩い靭帯でしか結ばれていない場所を確保しておくだけで、その不安は幾ばくか癒されることでしょう。そのような場所を複数用意しておくことが肝要だと、かつて空想的社会主義者のフーリエも説いていました。空想から科学へ、そして空想科学へと人類が進歩する間にも、私たちは一人また一人と人生の暗い陥穽(あなぼこ)に落ち続けることをやめません。だから、LINEのチャットで適当に過ごしながら、やらかしたらごめんで済むってことにしておけばいいじゃないですか。誰が怪我するわけでもないんだし。

このブログは、そんなポリシーで運営されている会社で孤独をひなたで暖めている人物が人生を遠回りしながら何かを記していく、そんな感じのものです。昔、下北沢あたりのあちこちの店で奢ってもらっていた人物が酔っ払って「自分の周囲3mを変えればそれで結構」と断言しながら通りで酔い潰れているのを見届けたものでしたが、彼女の教えの通り自分の周囲を少し変えることが最大の野望です。だから、Slap like button and subscribe now.